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不況でジリ貧傾向が続き、これを打開すべく工場建設など約9,000万円の設備投資を実施。取扱品の幅を広げ、且つ生産性の向上を図った。しかし、売上が伸びず、新規開拓で販路拡大を図るも不良債権発生を招き、設備投資負担も重なって、民事再生手続申立に至った。現在は手続終結し、自社製品の開発製造にも取り組み、高付加価値製品の製造も手掛けている。
所在地 | 群馬県 |
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業種 | 製造業 |
従業員数 | 5名 |
設立・創業 | 設立:平成3年9月/創業:昭和49年 |
事業分野 | その他 |
事業概要 | 斯業経験を生かし、主に機械設備のメンテナンスや改造・修理を行い、付帯して制御装置や各種機械の製造なども行っていた。現況では製缶板金業が主体となっている。 |
社長の年齢 | 40歳代 |
創業時の属性 (職業) |
会社勤務(スピンオフ/スピンアウト) |
平成9年をピークとして、不況により以降はジリ貧傾向が続き、これを挽回すべく工場建設など約9,000万円の設備投資を行い、パレット製造も開始した。しかし、深刻化する不況で売上は伸びず、新規開拓で販路拡大を図るも不良債権が発生。設備投資負担も重なって、平成14年民事再生手続申立に至った。平成18年に手続終結。最近では自社製品の開発製造にも取り組み、高付加価値製品の製造も手掛けている。
個人創業は昭和49年だが、長年企業の社内外注的な立場にあった。平成3年独立すべく当社を設立。鉄板・鋼板業者を主力販売先として、東京にも営業所を出すなど業容を拡大。販路拡大を受けて、ピーク時である平成9年期には売上3億6,000万円をあげていた。
平成9年8月期をピークとして不況からジリ貧傾向となり、これを打開すべく工場建設など約9,000万円の設備投資を実施。パレット製造を開始し、取扱品の幅を広げ、且つ生産性を向上させた。しかし、売上は伸びず、新規開拓で販路拡大を図るも、不良債権発生を招いた。これにより、更に資金運営は悪化し、民事再生手続申立に至った。
受注減少に対して工場建設で取扱い品の幅を広げたが、その後も受注減少が続いた。東京事務所を閉鎖し、人員の削減を図るなど一時的に経営規模の縮小も実行した。
また、受注拡大のための販路を求め新規先の獲得に努めたが、資金面での焦りもあり不良債権発生を招き、資金事情が更に悪化。民事再生手続きに至った。
市況予測の読み違いと過小資本体質
市況悪化を、工場建設による取扱い品増加と生産効率化で乗り切れると考えたが、受注回復に至らず、更に不況の深刻化で受注は減少。工場建設による資金調達は可能だったが、中小規模であり、他人資本依存度が増した。
無理な販路拡大で不良債権が発生
設備投資による負担増と受注減少から焦りが生じ、既存の取引先以外の販路拡大に努めたが、結果的には不良債権の発生に繋がった。
受注環境の変化に対し、安易に工場建設による設備投資で乗り切れると判断したこと。また、それを可能とした資金調達の容易さもあった。更に、設備投資による負担増と受注減少をカバーすべく新規先の獲得に努めたが、与信管理が不十分だったこともあり、不良債権の発生を招いた。
平成9年頃までは、業界自体もあまり不況の影響を受けず、地域金融機関も設備投資資金に関してある程度の前向きな姿勢が認められた。その後、不況の長期化で金融機関からの資金調達も厳しさが増していった。
債務の大部分は工場建設に伴うもので、受注環境の変化を厳しく見通し、例えば外注活用によるファブレスでの対応などで設備投資を多少控えたなら、資金負担も軽かった。また、新規開拓では与信面で注意していれば、不良債権発生も免れた可能性が高い。
また、企業再生の一環との認識で、民事再生手続きに踏み切った。実際、申立前の事前協議では、得意先の中には従前と変わらぬ支援を約束した企業もあったが、申立後の支援は無く、見通しの甘さを痛感した。
民事再生開始手続き後も、仕入先の支援もあり営業を続行し、平成18年には手続き終結。現況では、社会状況も変化し、製造業界の活況さを反映して受注状況も好調。工場建設により生産拠点を有していることが、最終的には生き残りに繋がった。最近では自社製品の開発製造にも取り組み、付加価値の高い製品の製造にも漕ぎ着け、既に販売実績もある。今後は債務の圧縮を図り、更に自立への道に弾みを付けたい。