M&A・事業承継に強い、弁護士の鈴木陽介です。
会社の引継ぎにお悩みの経営者の方は、サンベル法律事務所にご相談下さい。会社の引継ぎ、承継には、M&A、事業承継に強い弁護士を関与させるべきです。
弁護士鈴木が力を入れているM&A・事業承継のコラムです。
株式評価の留意事項、株価評価方式の類型(収益方式、純資産方式、比準方式)の概要をご説明します。内容は、中小企業庁の公表資料「
経営承継法における非上場株式等評価ガイドライン(平成21年2月,中小企業庁)」に基づいており、弁護士鈴木が適宜編集等しています。
非上場株式の株価評価のコラム
株価評価の判例紹介のコラム
株式評価の留意事項
トラブルを防ぐための留意点
M&A・事業承継で株式価格について評価を行う専門家は、案件ごとの諸事情を考慮しながら、各種評価方式を用いて評価を行うことになります。その際、後日、第三者から錯誤、詐欺等の違法事由や損害賠償請求を主張されないように、以下のような点に配慮しながら評価を行うことが望まれます。
1 客観的な評価
専門家が評価を行うにあたっては、依頼者にとって有利となる評価を行うことなく、客観的な立場から評価を行う必要があります。
2 必要な資料の確保
専門家は、評価を行うにあたって、計算書類のほか、会社の実態を把握するために必要な資料の提供を依頼者より受ける必要があります。また、当該資料に漏れ・虚偽のない旨を書面等で確認を行う必要があります。
3 取得資料の真実性等の前提確認
提出を受けた資料に関しては、その内容の真実性、正確性、網羅性について、原則として、検証等を行わず、それを前提として評価を行う旨を、当事者に説明します。
ただし、専門家の視点から明らかな誤りがある場合、及び、評価を行うにあたって、資産の含み損益の反映、引当金の追加計上又は経常損益と非経常損益の利益区分修正を行うことなどが、評価対象会社の実態を表すために必要と判断される場合においては、提出を受けた計算書類について、一定の修正を行う必要があります。
4 将来予測の確認
今後の収支見込みなど将来の予測に基づく評価を実施する場合には、専門家として、この予測が明らかに不合理でないか否かの検討は行うべきですが、予測の達成可能性について責任を負うことはできないため、その旨を当事者へ説明し理解を得る必要があります。
5 関係者への情報開示
専門家は、依頼者とともに、関係当事者に対し、各種評価方式を提示し、それぞれの評価方式の特性を十分に理解させるべく説明を行うことが望まれる場合があります。また、評価方式により価額に差異が生じることへの理解も得ておくべきことがあります。そして、その上でなされた関係当事者との合意内容を踏まえ、実際の評価方式の採用根拠等の説明が必要となることもあります。
また、評価を行うにあたって使用した会社の情報や計算書類等を、必要に応じ関係当事者に対して開示します。なお、当事者間において情報の格差が生じることがないよう、場合により、同一の場所に当事者を集めるなどの対応をとることも考えられます。
株式の評価方式の分類
非上場株式の評価方式は、大きく収益方式、純資産方式及び比準方式に分類されます。
収益方式
評価対象会社に期待される利益等を基にして評価する方式です。概念的には、 将来にわたる収益の総額の現在価値を示しているといえます。
純資産方式
評価対象会社の保有する純資産価額を基にして評価する方式です。概念的には、 評価時点で、事業を新たに開始する際に同じ資産を取得するとした場合、又は、会社の資産全部を売却するとした場合に獲得できる金額を示しているといえます。
比準方式
評価対象会社と類似する上場会社(類似会社又は類似業種)の株式の市場価額や、評価対象会社の株式の過去の取引における価額を参考として評価する方式です。
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