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主幹事証券会社の方針変更で上場が見送りとなった実例です。経営不振に悩む経営者の方は、会社の倒産、破産に強い弁護士にご相談下さい。

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19 製造業の経営の失敗(19):主幹事証券会社による上場見送り

会社の倒産、破産に強い弁護士の鈴木陽介です。

ここでは、上場を目指すも主幹事証券会社の方針変更で上場が見送りとなった実例をご説明します。経済産業省の公表資料「ベンチャー企業の経営危機データベース」に基づいており、弁護士の鈴木が適宜修正編集等しています。

なお以下が会社の経営失敗、倒産、破産の実例紹介の弁護士のコラム一覧です。ご活用いただければ幸いです。
・ 会社の経営失敗、倒産、破産の実例紹介の弁護士のコラム一覧


会社経営の失敗の概要


 上場を目指すも主幹事証券会社の方針変更で上場見送りに

上場を目指し、関連子会を吸収合併するなど積極的に取り組み、業績も拡大していたにもかかわらず、主幹事証券会社の社内体制・方針変更により上場が見送られることとなった。人材育成を含めた管理体制に弱さ等が見られると判断された可能性もあるが、結果として主幹事証券会社の選択ミスとも考えている。

 企業プロフィール

業種 製造業
設立・創業 平成6年9月
事業分野 建材・生活用品の製造販売、他
事業概要 天然素材を利用した建材と生活用品と製造および販売を主軸に、事業を構成している。
社長の年齢 50歳代
創業時の属性
(職業)
会社勤務(その他:会社役員)


会社経営の失敗の詳細


 結論

平成19年に上場を予定していたが、主幹事証券会社の経営体制や方針変更等もあり、予定していた上場が出来なくなった。現在、新たなスポンサー探しや主幹事証券会社を探しており、更に社内管理体制の強化を含めて立て直しを図っている状況にある。

 設立から成功までの経緯

平成6年に当社を設立。一般的に環境事業は儲からないといわれているが、高品質商品サービスを提供することで環境事業は儲かるものであり、同時に世に役立つものであることを証明したいという気持ちが強く、これが起業へのきっかけであり、これまでの原動力ともなっている。設立当初売上は低迷していたが、生活用品事業や建材事業を中心に着実に実績を挙げる。

 課題・ヒヤリとした経験

平成19年を目処に上場を計画。平成18年に関連子会社を吸収合併し、出資先企業を売却するなど、上場に向けた準備を整えていった。しかし、主幹事であった証券会社の経営体制変更等もあり、予定していた上場を見送ることになった。

 対処と結果

主幹事証券会社の方針変更など幾つかの問題発生もあり、上場が出来なくなったため、新たなスポンサーを探し、更に社内管理体制の強化を含めて立て直しを図っている状況にある。現在、立て直しの最中にあり、未だ具体的な結果は出ていない。

 原因

(1) 特性

社内管理体制の弱さ
主幹事証券会社側が上場予定を見送った理由は明らかではないが、一因として、人材育成を含めた管理体制で弱さ等が見られると判断したのではないかと考えている。

(2) 要因

主幹事証券会社の経営体制変更
主幹事証券会社の経営体制が変わり、方針変更等により、当社に対する上場支援が不可能となった。

 経営判断

積極的な事業展開により各事業共に好調に推移し、業容は伸長を見せていた。一方で、社内管理体制の強化が思うように進まず、こうした中で上場を予定していたこと、更に上場に向けて主幹事の証券会社の選択ミスもあったと考えている。

 背景

自社技術は多くのメディアでも取り上げられており注目されている反面、創薬については業界の既存同業者が新規参入者を潰す傾向があり、日本での創薬を行うことの難しさを感じている。

 得られた教訓

上場というひとつの目標達成のために業績の伸長はもちろんのことだが、社内管理体制の強化、更に日本では創薬を行うことが難しいことから、国外でのスムーズな事業展開が出来る体制作りの必要性が挙げられる。また、取引先や上場に向けてのパートナー等の選別も大切な要素である。

 後日談

設立以後、研究開発・営業面を含めて積極的な事業展開を見せ、各事業共に成長。上場を意識した取り組みにあったものの、幾つかの問題発生もあり上場することが不可能に。現在、スポンサー探しや社内管理体制の強化に努めており、立て直しを図っている最中である。


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弁護士鈴木陽介書籍会社 製造業

書籍:歯科医院の事業承継とM&A

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