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27 製造業の経営の失敗(27):大口顧客の倒産での連鎖倒産

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会社の経営の失敗、倒産の実例紹介のコラムです。

ここでは、大口顧客の倒産で連鎖倒産となった経営失敗の実例をご説明致します。内容は、経済産業省の公表資料「ベンチャー企業の経営危機データベース」に基づいており、弁護士鈴木が適宜修正編集等しています。


会社経営の失敗の概要


 債権管理を甘くしていた大口顧客が倒産し連鎖倒産に

株式上場を視野に入れた成長企業のA社を主力顧客として事業を拡大。A社の受注に全面的に協力し、お互いに事業規模を拡大できると考えたが、A社に支払遅延が発生。サラリーマン社長が出資先からの期待に応えるため、早期に結果を出したい焦りもあり、債権保全策も採らなかった。焦付債権が発生し、破綻に至った。

 企業プロフィール

所在地 山口県
業種 製造業
従業員数 11名
設立・創業 設立:平成14年8月/創業:平成14年8月
事業分野 その他
事業概要 食品の冷蔵・冷凍加工する機械を製造し、中でも連続コンベアーの製造技術は高く、オーダーメイドも請け負っている。
社長の年齢 50歳代
創業時の属性
(職業)
会社勤務(定年退社)


会社経営の失敗の詳細


 結論

コンベア製造事業で大口顧客A社を確保し、受注も順調に拡大。A社の受注に全面的に協力することで、お互いに事業規模を拡大できると目論んでいた。しかし、A社に支払遅延が発生。債権保全策も余り講じず、A社経営破たんによって当社も民事再生法申立に至った。

 設立から成功まで 

特定団体からの冷熱工事受注に特化する企業として設立。しかし、特定団体からの受注は難しくなり、翌年には新たな出資者を得て食品加工機械製造業に事業を転換。数カ月後にはA社との取引が始まり、1台5,000万円もの大口案件が相次ぎ、当社の売上も急拡大。また、設立時の出資企業から当社振出手形に対して合計1億5,000万円の保証を得たほか、代表者個人保証による5,000万円と取引金融機関から約1億5,000万円を調達して、創業間もない企業としては好条件な資金状況にあった。

 課題・ヒヤリとした経験

A社からの回収条件は検収後2ヶ月の現金決済であったが、初回納品した5,000万円の内、半分は回収したが、残り半分は滞った。支払遅延は発生しても受注を続けたので、未回収債権は膨らみ、当社の資金繰りも逼迫。途中交渉で検収終了分のみ現金から手形へ変更し、A社から合計9,000万円の手形を回収して一時を凌いだが、回収した手形の一部が不渡りとなり、A社は倒産。A社に売上の半分以上を依存し、多額の未回収債権を抱えていた当社も民事再生法申立を余儀なくされた。

 対処と結果

A社への債権管理は、一度手形を回収したのみで、特別な策を講じていなかった。
A社の手形が不渡りとなり、事実上倒産。当社のA社への債権は2億1,000万円だが、実質的な回収不能額は1/3程度。既に資金調達は限界に達していたため、民事再生手続開始を申立てた。同年中に再生計画認可が決定。負債総額3億5,000万円を80%カットし、10年分割での支払となった。

 原因

(1) 特性

経営安定への焦り
出資企業の意向が強い体質であり、出資企業からの期待から経営安定化に向けて焦っていた。安定受注先の登場に飛びつき、受注先の実態の把握もしないうちに製造を開始してしまった。

(2) 要因

与信管理・債権管理の甘さ
相次ぐ受注は回収の遅れを上回るほど魅力的で、いつかは回収できると踏んだ。途中交渉は検収終了分のみ現金から手形へ変更し、出来高回収などの交渉はしなかった。大口受注先への依存度は高く、持ち出し資金は増加する一方で、業歴が浅い分、支える体力もなく資金繰りはただちに逼迫した。

 経営判断

A社が株式上場まで視野に入れた成長企業であったため、受注に回収が追い付かなくても取引を続けてしまった。また、代表者は企業定年間近まで勤務したサラリーマンで事業経験は無く、設立当初の目的であった特定団体との取引消滅に伴う事業転換もあり、早期に結果を出したい焦りがあった。

 背景

A社が市場に投入した製品は安全性が高く、画期的な商品として評価された。ただし、既存製品と比べ価格は高く、切り替えるのに相当なコスト増加が必要となり、なかなか市場には受け入れられず、一部の大手以外は触手を伸ばさなかった。

 得られた教訓

民事再生開始申立後に分かったのは、A社は販売が進まず、相当な値引きを行っていた。そのため、赤字受注も多く、手持ち資金も枯渇し、受注先から手付金などを回収して自転車操業で経営を保っていた。また、当社の前の外注先に対しても支払遅延が発生したため、当社に外注先が変更された経緯も判明した。事前に内情が分かっていれば取引を開始しないし、取引開始後に判明していれば回収に力を注いで債権額を抑えることができた。受注先に対する情報が少なく、事前にもっと調査をするべきであった。
受注が拡大すれば業績は拡大し経営は安定するが、会社の技量の範囲内でこなす必要がある。自社製造では追いつかず外注依存の高い状態が続き相次ぐ受注で積算も甘くなりがちであった。メーカー直の受注では当初の見積もりが曖昧な分、終わってみれば採算の厳しい受注も多い。売上規模は縮小しても得意とする設計・製造の内製化し利益を確保し、受注先もメーカー直ではなく営業会社を間に入れることで正確な見積もりにより収益状況の把握が容易になっていると言う。

 後日談

倒産のきっかけとなった大口顧客が今も営業を継続しているため、当社も事業を中止するわけにはいかない。技術力は高く、連続コンベアを製造できるのは全国でも数社となっている。技術者の老齢化が進み、技術の継承が困難な状態で、先細りは必至だが、当社は既存設備の保守・修理などが将来的にも見込めると踏んで民事再生の道を選んだ。再生債務を抱えている以上、しっかりと利益維持し、返済原資を確保しなければならない。受注先は営業会社に移行し、当社はメーカーに徹しており、年商3億円で堅実な経営を行っていくものと聞かれた。


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書籍:歯科医院の事業承継とM&A

学建書院,2016年