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22 製造業の経営の失敗(22):技術開発型ベンチャーの経営課題

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会社の経営の失敗、倒産の実例紹介のコラムです。

ここでは、技術開発型ベンチャーの起業での経営課題の実例をご説明致します。内容は、経済産業省の公表資料「ベンチャー企業の経営危機データベース」に基づいており、弁護士鈴木が適宜修正編集等しています。


会社経営の失敗の概要


 技術開発型ベンチャーの起業での典型的な経営課題

立ち上げ準備期間も含めて、安定した優良顧客や市場を確保していないため、「死の谷」時代を歩き、そしてようやく「ダーウィンの海」時代を泳ぎながら、「胸突き八丁山」時代を這い上がりつつある現況にあり、経営的に見れば、連日連夜、ヒヤリ・トラブル・失敗そして苦労の連続である。そして、前年度は創業以来最大の黒字を計上するに至った。

 企業プロフィール

所在地 埼玉県
業種 ソフトウェア開発・販売
従業員数 45名
設立・創業 設立:平成11年4月/創業:平成11年4月
事業分野 ソフトウェア、情報システム開発
事業概要 理論と実験に次ぐ「第三の科学」として注目を浴びている計算科学技術分野において、シミュレーションなどの計算工学技術を基軸にして、「環境と資源に優しいものづくり」を核にしたITS(Information Technology on Science)事業を展開している。課題解決型総合エンジニアリング事業として、総合的CAE事業、商品販売事業、受託システム開発事業、受託解析事業、調査研究事業、プロジェクトコーディネート事業などに取り組んでいる。
社長の年齢 50歳代
創業時の属性
(職業)
大学・研究所等教職員


会社経営の失敗の詳細


 結論

資金調達力の脆弱性や、製品完成度と市場認知度の低さ、商品化投資力と営業展開力の不足などを克服し、国内外の競合商品との戦いで生き残ったものの、経営陣・中間幹部・専門技術者などの人材不足、経営戦略・経営戦術の不足、規模の経済性・範囲の経済性・組合せの経済性などを発揮する経営体制を構築する力不足、経営幹部メンバーの成長力不足に悩まされた。

 設立から成功までの経緯

独立行政法人理化学研究所の素形材工学研究室の主任研究員時代、理研ベンチャー制度の認定を得て、平成11年に3人のメンバーとともに設立した。設立時社員は3名であったが、平成13年には25名まで増加、売上高も3億円に達した。平成16年度は資本金9,980万円、売上4億円、社員35名まで成長、平成18年度には資本金約1億2,500万円、売上5億円、社員45名にまで拡大した。なお、創業者は現在、VCADシステム研究プログラム プログラムディレクターおよび当社最高技術顧問となっている。

 トラブル・失敗・課題に至る経緯

個人経営から組織経営へ脱皮する際、資金調達力の脆弱性や、製品完成度と市場認知度の低さ、商品化投資力と営業展開力不足などいわゆる「死の谷」時代を歩いた。また、国内外の競合商品と激突する戦いの場である「ダーウィンの海」時代には、経営陣・中間幹部・専門技術者などの人材不足のため、経営戦略・経営戦術の不足と、これを実現展開する人材不足に悩まされた。さらに、規模の経済性・範囲の経済性・組合せの経済性などを発揮する経営体制を構築する力不足と、経営幹部メンバーの成長力不足などを抱えながら、いわゆる「胸突き八丁山」時代を這い上がりつつある現況にある(以下、ご回答者の切り口により上記3つの時代ごとに記述する)。

 対処と結果

〔死の谷時代〕:社長へ権限を集中し、ワンマン型経営・スター型運営を実施した。例えば、中間幹部を介さず全社員と社長が直結、全員参加の合宿などによる経営戦略・戦術、各種情報・技術、社内人材交流などを実施して、経営資源の効率的運営と社長方針を徹底した。結果的には効率的経営が達成され、創業以来、黒字経営を継続することができたが、幹部人材の育成には、見るべき成果がなかったなどの弊害も発生した。
〔ダーウィンの海時代〕:集団合議制へ経営運営方針を転換し、社長権限を委譲し、外部講師なども招聘して、幹部教育を実施するなど幹部育成を図るとともに、商品構成戦略もシーズ提供型からニーズ指向型へ転換を図った。結果、個性豊かな幹部も育ったが、組織的統括体制の脆弱化が起こった。役員・幹部・社員の多様化の中で、指揮系統の混乱や、資質的に幹部不適材な人材の処遇などの新たな課題も発生した。内部統制摩擦や経営的ロスも発生し、単年度ながら創業以来初めての赤字決算ともなる年度もあった。
〔胸突き八丁山時代〕:経営の質的転換を図るため、若手の役員抜擢や、若手を中心とした経営計画立案・推進体制を実施し、ベンチャー企業の殻から脱皮を模索している。若手を中心とした新たな経営体制に、将来と結果を期待している。

 原因

(1) 特性

ベンチャー企業としての組織体質
〔死の谷時代〕:組織プレーに馴染まない個性豊かな社員を活かした個人プレー的経営が必要。
〔ダーウィンの海時代〕:個人プレー的社員に、組織プレーを学習させて、組織的経営の実現を試みた。
〔胸突き八丁山時代〕:組織プレーから戦略的プレーが体現できる経営の実現を指向。

(2) 要因

人材の不足
〔死の谷時代〕:段々畑経営論での個人的経営から組織的経営へ脱皮できる人材の不足。
〔ダーウィンの海時代〕:段々畑経営論での組織的経営から集団的経営へ脱皮する人材不足。
〔胸突き八丁山時代〕:段々畑経営論での集団的経営から戦略的経営へ脱皮できる人材不足。

 経営判断の問題点

〔死の谷時代〕:ワンマン型経営・スター型運営によって幹部人材が疲弊するとともに、幹部候補者が脱落していった。
〔ダーウィンの海時代〕:集団合議型経営による経営資源(人・物・金+時間)の不効率な運用があった。
〔胸突き八丁山時代〕:経営経験不足の若手経営による試行錯誤と短期的経営効率性が悪化した。

 背景

〔死の谷時代〕:経済産業省などによる約120種類(平成17年現在)にわたる手厚いベンチャー支援策があり、シーズ指向からニーズ指向への脱皮する場合などの失敗を、最小限にして死の谷を脱出できる制度が背景に完備している。
〔ダーウィンの海時代〕:手厚い支援策に支えられた海外競合製品との厳しい平地戦での闘いには、我が国の戦略的製品にも、ニーズ側から支援し、経営安定顧客の確保などの国の支援策や支援制度が必要だが、我が国にはほとんど皆無という実態が背景にある。
〔胸突き八丁山時代〕:応援席からの第三者的応援団による支援策はあるが、一緒にグラウンドでプレーする支援策や、応援プレーヤーは、ほとんど見当たらない実態が背景にある。

 得られた教訓

〔死の谷時代〕:経営者と幹部社員の人材強化、経済産業省などの支援制度の活用。失敗を恐れない、失敗を繰り返さない、失敗を活かす。
〔ダーウィンの海時代〕:経営者と幹部社員の人材強化、経済産業省の支援施策の制定が必要。成功から学ぶものは少ない。失敗は成功の母である。
〔胸突き八丁山時代〕:経営者と幹部社員の人材強化、応援人材による支援体制の確立。失敗知識の構造化と、失敗出来の要素化と記録・伝承システムを確立すべき。

 後日談

ベンチャー企業とは、通常、大企業では実現しにくい創造的・革新的な新技術や、高度な知識を軸にした新しい事業を立ち上げており、立ち上げ準備期間も含めて、安定した優良顧客や市場を確保しない限り、順風満帆である企業は稀であると考える。経営業績の凸凹は、谷海山時代における失敗まんだら模様を反映した経営の通信簿である。この失敗出来を、絶えず整理・蓄積・分析・伝承する仕組を構築活用して、経営レベルをスパイラル的に発展・向上させていくことが、当社のようなベンチャー企業には肝要である。


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会社の経営の失敗、倒産の実例紹介のコラム


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 経営の失敗、倒産の実例紹介

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書籍:歯科医院の事業承継とM&A

学建書院,2016年