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2 製造業の経営の失敗(2):海外へのアウトソーシングの失敗

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会社の経営の失敗、倒産の実例紹介のコラムです。

ここでは、海外への製造アウトソーシングの失敗での経営危機の実例をご説明致します。内容は、経済産業省の公表資料「ベンチャー企業の経営危機データベース」に基づいており、弁護士鈴木が適宜修正編集等しています。


会社経営の失敗の概要


 海外へのアウトソーシングで製品の故障が多発

製造委託先である中国、韓国、台湾の企業との間で、商習慣、契約上の問題、国民性や文化の違いにより支障が生じ、製品の故障が多発、営業活動の足かせとなり、販売計画にも狂いが生じることとなった。スタートアップ時期の人材不足により、海外の委託企業の製造管理まで手が回らない状況であった。

 企業プロフィール

所在地 福岡県
業種 製造業、小売・卸売業
従業員数 30名(2007年7月現在)
設立・創業 設立2002年8月・創業1999年10月
事業分野 自動おしぼり機製造販売(90%)、オフィス家具販売(10%)
事業概要 自動おしぼり機製造・販売を展開。品質改良を繰り返し、故障のない高性能の自動おしぼり機を開発した。北海道から沖縄まで全国のパチンコ店1,200店舗に納入実績を持つ。営業所は東京、大阪、仙台、四国に置くが、機械の発送はすべて福岡本社から行っている。
社長の年齢 30歳代
創業時の属性
(職業)
会社勤務


会社経営の失敗の詳細


 結論

自動おしぼり機の製造はコストダウンを図るため、中国、韓国、台湾の委託企業で行っていたが、製品の故障が頻発し、営業活動の足かせとなった。人材不足により、海外の委託企業の製造管理まで手が回らない状況であった。指示がうまく伝わらず、安価、粗悪な部品を使用されるケースが増加。口頭で指示していた事が守られないことも多かった。製造を委託した海外企業(中国、韓国、台湾)の国民性や商慣習の違いを当初はよく理解していなかったことも製品の故障率を下げることができなかった要因である。

 設立から成功までの経緯

創業者である現会長は元々清涼飲料水の販売を行っていたが、同業の友人から自動お絞り機をやらないかと誘いを受けた。飲料というのは1本の利益が何十銭の世界で、おしぼりも感覚が同じ。いわば、自動おしぼり機は飲料の自動販売機、そして中のタオルは缶飲料。飲料販売を経験していたため、おしぼりのやり方もピンときたことで1999年10月に合資会社を設立して、自動おしぼり機の製造をスタートした。しかし、当初の製品は性能が悪く、故障が多かったためなかなか普及しなかった。その後、改良に改良を重ねて故障が減り、顧客からの要望も積極的に吸収した。そして、タオルを折り畳んでだすタイプを開発し、パチンコ店を中心に普及していった。2002年8月仙台営業所を開設、2004年7月コストを下げるため、中国で合弁会社を設立、2005年5月自社ビルを購入し、本社移転。2006年4月大阪営業所を開設するなど逐次業容を拡大。売上高も2003年2億5,800万円、2004年2億8,000万円、2005年2億8,000万円、2006年3億4,000万円と伸長を続けた。

 課題・ヒヤリとした経験

自動おしぼり機の製造はコストダウンを図るため、中国、韓国、台湾の委託企業で行っていたが、製品の故障が頻発した。モーター、ポンプ、ノズルなどの部品も安価なものを使っているケースが多く、故障率を下げることがなかなかできなかった。また、指示が相手側に上手く伝わらなかったり、国民性、商慣習の違いからか、口頭で指示したことが守られず、納期も予定をずれ込むケースが頻発した。特に製造の主力としていた中国は電力事情が非常に悪く、工場がいつ止まってもおかしくない状態で計画生産ができなかった。また、当初は少人数による運営であったため、日本から海外工場に管理者を出す余裕がなく、製造工程の管理などが思ったようにできなかった。こうしたことから、営業活動に支障がでるようになり、販売計画も大きく狂うこととなった。

 対処と結果

お金と時間をかけても故障がないものを作るという方針を打ち出し、そのためには自動おしぼり機の故障率を下げるための徹底した管理が必要と考え、日本側から中国、韓国、台湾の委託企業に対して管理者を定期訪問させた。また、安価で粗悪な部品の使用を避ける目的で、部品指定を徹底した。口頭で指示していたことが守られていない場合が多かったため、指示は全て書面にして、トラブルに備えた。
こうして、中国、韓国、台湾の委託企業の管理が細かくできるようになった。部品も日本から指定したことで、製品の品質が上がり、故障が少なくなった。一般に機械は水ものと紙ものが一番難しいと言われるが、当社は現在まで改良に改良を重ね、延べ100ヶ所以上を改善、故障のない自動おしぼり機を完成させた。

 原因

(1) 特性

海外委託先への管理不足と国民性・商習慣に対する理解不足
製造コストを抑えるため、中国、韓国、台湾等海外への製造委託を行っていたが、人材不足により、海外の委託企業の製造管理まで手が回らない状況であった。また、中国、韓国、台湾の国民性、商慣習についても知識が乏しかった。

(2) 要因

伝達ミスや口約束による指示のため、しっかりと守られなかった。
指示がうまく伝わらず、安価、粗悪な部品を使用されるケースが増加。口頭で指示していたため、それが守られないことが多かった。製品の故障率を下げることができなかった。

 経営判断

製造を委託した海外企業(中国、韓国、台湾)の国民性や商慣習の違いを当初はよく理解していなかった。口頭での指示では約束とはならず、お互いに信用を築くことの難しさを知った。また、創業直後は少人数による運営であったため、人手に余裕がなかったこともあるが、日本から管理のできる者を出すべきであった。

 背景

コスト削減を目的に製造工程を海外企業に委託することが一般的となっているが、言葉の問題や商習慣、契約上の問題、国民性や文化の違いなど、良質の製品を作るための課題が生じやすく、大幅なコスト削減にはならないとの指摘もある。コミニュケーションギャップに起因するこれらの諸問題を解決するためには、しっかりと管理・監督ができる人材を海外へ派遣することが重要である。

 得られた教訓

事前に製造を委託する海外企業の情報を集めておくことが必要であった。海外の商習慣や国民性についてもリスク管理としてしっかり認識しておくことが重要。
また、創業直後は少人数で業務に追われがちで、資金的にも余裕がないため、従業員を増やすことが難しいが、海外と取引するにあたっては語学に堪能で工場管理もできる人材を雇用しておけば、トラブルの発生を未然に防げるかもしれない。
教訓としては、海外企業との取引はコスト面で有利な場合が多いが、製造に関する指示が伝わらない、納期を守らないなど各種問題が発生し、特に後でトラブルになる場合が多いため、指示したことは全て証拠として書面にしておく。また、費用と時間をかけていい製品(当社の場合は自動おしぼり機)を作れば、おのずと売上高は伸びて行くということである。

 後日談

最初は故障の多かった自動おしぼり機に改良を加え、故障のない高性能の自動おしぼり機を開発。これを機に福岡本社のほか、現在東京、大阪、仙台、四国に営業所を置き全国へと拡大。軌道に乗り、全国のパチンコ店1,200店に納入している。万一、機械に不具合が生じても24時間以内に代替機を無償で送るなどのサービスで顧客の信頼を得ており、最近は病院や飲食店などにも販路を拡げている。


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会社の経営の失敗、倒産の実例紹介のコラム


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 経営の失敗、倒産の実例紹介

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弁護士鈴木陽介書籍会社 製造業

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